Claude CodeをWindowsでSerena MCPと連携する方法
Claude CodeはMCP(Model Context Protocol)に対応しており、さまざまな拡張機能を追加できます。その中でもSerena MCPは、音声入力やマルチモーダル機能を提供する人気のMCPサーバーです。
この記事では、Windows環境でClaude CodeにSerena MCPを設定する方法を、初心者の方にもわかりやすく解説します。
Serena MCPとは
Serena MCPは、Claude Codeに以下の機能を追加するMCPサーバーです:
- 音声入力機能:マイクから直接音声でプロンプトを入力
- 音声出力機能:Claude Codeの応答を音声で読み上げ
- マルチモーダル対応:画像や音声などの複数の入力形式に対応
- 効率的なワークフロー:キーボード入力が不要な場面で作業効率を向上
Windows環境での前提条件
Serena MCPをWindows環境で使用するには、以下の準備が必要です:
1. Node.jsのインストール
Serena MCPはNode.js上で動作するため、まずNode.jsをインストールします。
# Node.jsの公式サイトからインストーラーをダウンロード
# https://nodejs.org/
# インストール後、バージョンを確認
node --version
npm --version
2. Claude Codeのインストール
Claude Codeがまだインストールされていない場合は、npmでインストールします。
npm install -g @anthropic-ai/claude-code
3. Windowsでの追加設定
Windows環境では、PowerShellの実行ポリシーを変更する必要がある場合があります。
# 管理者権限でPowerShellを開き、以下を実行
Set-ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUser
Serena MCPのインストール手順
ステップ1: Serena MCPパッケージのインストール
まず、Serena MCPをnpmでインストールします。
npm install -g @serena/mcp-server
ステップ2: MCP設定ファイルの作成
Windows環境では、MCPの設定ファイルを以下の場所に作成します:
%USERPROFILE%\.claude\mcp.json
PowerShellで設定ファイルを作成する場合:
# .claudeディレクトリを作成(存在しない場合)
mkdir $env:USERPROFILE\.claude -Force
# mcp.jsonファイルを作成
New-Item -Path "$env:USERPROFILE\.claude\mcp.json" -ItemType File -Force
ステップ3: Serena MCPの設定を追加
作成したmcp.jsonファイルに、以下の設定を記述します:
{
"mcpServers": {
"serena": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@serena/mcp-server"],
"env": {
"SERENA_VOICE_ENABLED": "true",
"SERENA_LANGUAGE": "ja-JP"
}
}
}
}
設定項目の説明
- command:
npxを使用してSerenaを実行 - args: Serenaパッケージを指定
- env: 環境変数の設定
SERENA_VOICE_ENABLED: 音声機能を有効化SERENA_LANGUAGE: 日本語を設定(英語の場合はen-US)
ステップ4: Claude Codeの再起動
設定を反映させるため、Claude Codeを再起動します。
# 実行中のClaude Codeを終了
# その後、再度起動
claude-code
Serena MCPの使い方
音声入力の利用
Serena MCPが正しく設定されていれば、以下のコマンドで音声入力が可能になります:
# 音声入力モードを開始
/serena voice-input
マイクに向かって話すと、自動的にテキストに変換されてClaude Codeに入力されます。
音声出力の利用
Claude Codeの応答を音声で聞くには:
# 音声出力を有効化
/serena voice-output on
マルチモーダル機能
画像ファイルを音声で説明してもらう場合:
# 画像を添付して音声で説明を聞く
/serena describe-image path/to/image.png --voice
Windows特有のトラブルシューティング
問題1: MCPサーバーが起動しない
原因: PowerShellの実行ポリシーが制限されている
解決方法:
Set-ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUser
問題2: 音声入力が動作しない
原因: マイクのアクセス許可が設定されていない
解決方法:
- Windowsの設定を開く
- 「プライバシーとセキュリティ」→「マイク」
- 「アプリがマイクにアクセスできるようにする」をオンにする
- Node.jsまたはPowerShellのマイクアクセスを許可
問題3: 日本語の音声認識精度が低い
原因: Windows音声認識の言語設定が英語になっている
解決方法:
- Windowsの設定を開く
- 「時刻と言語」→「音声認識」
- 「音声認識の言語」を日本語に設定
問題4: npxコマンドが見つからない
原因: Node.jsのPATHが通っていない
解決方法:
# 環境変数PATHを確認
$env:PATH
# Node.jsのインストールパスを追加(通常は以下)
$env:PATH += ";C:\Program Files\nodejs"
パフォーマンス最適化のヒント
1. WSL2の活用
Windows環境でより安定した動作を求める場合は、WSL2(Windows Subsystem for Linux)の使用を検討してください:
# WSL2でUbuntuをインストール
wsl --install -d Ubuntu
# WSL内でClaude CodeとSerena MCPを設定
WSL2を使用すると、Linux環境と同等の動作安定性が得られます。
2. メモリ使用量の削減
音声処理はメモリを多く消費するため、不要な場合は無効化することをお勧めします:
{
"mcpServers": {
"serena": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@serena/mcp-server"],
"env": {
"SERENA_VOICE_ENABLED": "false"
}
}
}
}
3. 起動時間の短縮
Serena MCPをグローバルにインストールすることで、起動時間を短縮できます:
npm install -g @serena/mcp-server
その後、mcp.jsonの設定を以下のように変更:
{
"mcpServers": {
"serena": {
"command": "serena-mcp",
"args": []
}
}
}
まとめ
Windows環境でClaude CodeにSerena MCPを設定することで、以下のメリットが得られます:
- 音声でのコーディング: キーボード入力なしでコードを記述
- 効率的なレビュー: コードの説明を音声で聞きながら確認
- アクセシビリティ向上: 視覚障害のある方でも利用しやすい環境
- マルチタスク対応: 手が塞がっている時でも作業可能
Serena MCPは、Claude Codeの可能性を大きく広げる強力なツールです。ぜひWindows環境でも活用してみてください。